- 歌の意味
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雪が降ると、峰の真榊は雪に埋もれて、月の光に磨きあげられたように輝く天の香具山であることよ。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 677
詞書「守覚法親王五十首歌よませ侍りけるに」
雪を詠む一連の二十一首目である。雪に峰の真榊が埋もれ、天の香具山が月の光に磨かれたように輝くと詠む。詞書によれば、守覚法親王が歌人たちに五十首歌を詠ませた折の歌である。
作者は権中納言藤原俊忠の子で、正三位皇太后宮大夫に至り、出家して釈阿と号した。『千載和歌集』を撰進し、藤原定家の父である。
場面は雪の積もった月夜、場所は大和国の天の香具山である。
直接の契機は、守覚法親王が歌人たちに詠ませた五十首歌での詠である。
初句「雪降れば」は、雪が降ると、の意で、「ば」は已然形に付く確定条件である。
二句「峰の真榊」は、峰に生える真榊をいう。「真榊」は榊の美称で、神事に用いる常緑樹である。
三句「埋もれて」は、雪に埋もれて、の意である。本巻の第六百六十首で布留の神杉が雪に埋もれたのと同じく、神聖な木が雪に埋もれている。
四句「月にみがける」は、月の光によって磨きあげた、の意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。雪に覆われた山が月光に照らされて、磨かれた鏡のように輝くさまをいう。
結句「天の香具山」は体言止めで、大和三山の一つであり、天から降った山として神聖視された歌枕である。神話では、天の岩屋戸の前で天の香具山の真榊に鏡を掛けたと伝えられ、真榊と「みがける」との取り合わせにその面影が重なる。前歌の山里に積もる雪と老いの身から、神話の山に積もる雪と月の荘厳な景へと移っている。
まさかき:榊の美称で、神事に用いる常緑樹
みがく:磨いて光らせる
- 作者
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藤原俊成
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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