庭の雪に我が跡つけて出でつるを
訪はれにけりと人や見るらん
- 歌の意味
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庭の雪に自分で足跡をつけて出てきたのだが、それを、誰かに訪ねてもらったのだと人は見るだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 679
詞書は前の歌に続き「題しらず」
雪を詠む一連の二十三首目である。自分で庭の雪に足跡をつけて出てきたのに、人はそれを誰かが訪ねてきた跡と見るだろうかと詠む。詞書は前歌から続き題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は関白藤原忠通の子で、天台座主を四度務め、歴史書『愚管抄』を著した。
場面は雪の積もった日、場所は作者の住まいの庭である。
直接の契機は伝わらない。
初句「庭の雪に」は、庭に積もった雪に、の意で、六音の字余りである。
二句「我が跡つけて」は、自分の足跡をつけて、の意である。
三句「出でつるを」は、出てきたのを、の意で、「つる」は完了の助動詞「つ」の連体形である。
四句「訪はれにけりと」は、人に訪ねてもらったのだと、の意で、「れ」は受身の助動詞「る」の連用形、「に」は完了、「けり」は詠嘆である。
結句「人や見るらん」は、疑問の係助詞「や」を受けて推量の助動詞「らん」の連体形で結び、人は見るだろうか、と推し量る。訪れる人のない寂しさを、自分の足跡が人の訪れと見誤られるだろうかという機知によって詠んでいる。本巻の第六百五十九首、第六百六十四首、第六百六十五首と続いた雪の上の「跡」を、訪れのしるしとしてではなく、自分の足跡が訪れと見誤られるという反転した形で詠んでいる。前歌の訪れを願う心に続き、訪れのない住まいの寂しさを詠む。
あと:足跡
とふ:訪れる
- 作者
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慈円
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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