かき曇りあまぎる雪のふるさとを
積もらぬ先に訪ふ人もがな
- 歌の意味
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空一面に曇って、あたりをかすませて雪の降るこの古里を、雪の積もらないうちに訪ねてくれる人がいればよいのに。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 678
詞書「題しらず」
雪を詠む一連の二十二首目である。空をかき曇らせて雪の降る古里に、雪が積もらないうちに訪ねてくれる人がいればよいと願う。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は石清水八幡宮の別当紀光清の娘で、宮廷に女房として仕え、「待宵の小侍従」と呼ばれた。
場面は雪の降る冬、場所は古里である。
直接の契機は伝わらない。
初句「かき曇り」は、空一面に曇って、の意で、「かき」は語調を強める接頭語である。
二句「あまぎる雪の」は、空をかすませて降る雪の、の意である。
三句「ふるさとを」の「ふる」には、雪が「降る」意と、「古里」の意が掛けられている。古里は、昔なじみの里、また人の訪れも少なくなった里をいう。
四句「積もらぬ先に」は、雪が積もって道が閉ざされる前に、の意である。
結句「訪ふ人もがな」は、訪ねてくる人がいてほしい、の意で、「もがな」は願望を表す終助詞である。雪が積もれば人の訪れも望めなくなることを先取りして、その前に訪れる人を願っている。本巻の第六百六十四首が跡もない庭の雪を見て訪れを待ったのに対し、この歌は積もる前に来てほしいと願っており、雪の積もった後に待つ心と積もる前に願う心とが対になっている。
あまぎる:空が霧がかったように曇る
ふるさと:雪が降る意と、古里の意を掛ける
- 作者
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小侍従
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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