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眺むれば我が山の端に雪白し
都の人よあはれとも見よ

歌の意味
眺めると、わが住む山の稜線に雪が白い。都の人よ、しみじみと心を寄せてこの雪を見てほしい。
鑑賞
巻第六 冬歌 680

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 雪を詠む一連の二十四首目である。自分の住む山の稜線に雪が白く積もっているのを眺め、都の人にもこの雪を心を寄せて見てほしいと呼びかける。詞書は前歌から続き題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
 作者は原文に記されず、前歌から続いて慈円である。関白藤原忠通の子で、天台座主を四度務め、歴史書『愚管抄』を著した。
 場面は雪の積もった冬、場所は作者の住む山である。
 直接の契機は伝わらない。

 初句「眺むれば」は、じっと眺めると、の意で、「ば」は已然形に付く確定条件である。
 二句「我が山の端に」は、自分の住む山の稜線に、の意で、比叡山に住む作者にとっての山をいう。
 三句「雪白し」は、雪が白い、の意で、ここで切れる三句切れである。
 四句「都の人よ」は、都の人に向かって呼びかける言葉である。
 結句「あはれとも見よ」は、しみじみと心を寄せて見てほしい、の意で、「あはれ」はしみじみとした情趣や同情をいい、「見よ」は命令形である。山の端の雪は都からも見えるので、その雪を、山に住む私を思いやる心で眺めてほしいと都の人に呼びかけている。前歌が庭の雪の足跡を人がどう見るかと思いやったのに続き、この歌は山の雪を都の人がどう見るかを思い、見られる側から呼びかけている。本巻の第六百五十八首が篠屋の雪から都の初雪を問うたのと、山と都とで雪を隔てて思い合う構図が共通している。

やまのは:空と接する山の稜線
作者
慈円
出典
新古今和歌集
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