この頃は花も紅葉も枝になし
しばしな消えそ松の白雪
- 歌の意味
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この頃は、花も紅葉も枝にない。しばらくの間は消えないでおくれ、松に積もった白雪よ。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 683
詞書「百首歌の中に」
雪を詠む一連の二十七首目である。この頃は花も紅葉も枝にないので、松に積もった白雪にしばらく消えないでほしいと呼びかける。詞書によれば、百首歌の中の一首である。
作者は高倉天皇の皇子で、譲位ののち院政をしき、和歌所を設けて『新古今和歌集』の撰進を命じた。
場面は雪の積もった冬、場所は松の立つ所である。
直接の契機は百首歌の詠進である。詞書には、どの百首であるかは記されていない。
初句「この頃は」は、この時節は、の意である。
二句「花も紅葉も」は、春の花も秋の紅葉も、の意である。
三句「枝になし」は、枝にない、の意で、ここで切れる三句切れである。
四句「しばしな消えそ」は、しばらくの間は消えるな、の意で、「な〜そ」は禁止を表す。
結句「松の白雪」は、松に積もった白雪に呼びかけて結ぶ体言止めである。花や紅葉のない冬の枝の寂しさの中で、常緑の松に積もる白雪を、花や紅葉に代わる冬の彩りとして惜しんでいる。本巻の第六百六十二首が岡の辺の松に白く積もる初雪を詠んだのと同じく松の雪を詠むが、ここではそれを愛でるべきものとして惜しんでいる。前歌が幾重にも積もれと雪に命じたのに続き、この歌は消えるなと雪に願い、雪に呼びかける歌が並べられている。
しらゆき:白い雪
- 作者
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後鳥羽院
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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