おのづから言はぬを慕ふ人やあると
やすらふほどに年の暮れぬる
- 歌の意味
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こちらから言わなくても、自然と慕ってくれる人がいるかと、ためらっているうちに、年が暮れてしまった。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 691
詞書「歳暮に人に遣はしける」
歳暮を詠む一連の一首目である。自分から言い出さなくても慕ってくれる人がいるかとためらっているうちに、年が暮れてしまったと詠む。詞書によれば、年の暮れに人に送った歌である。
作者は俗名を佐藤義清といい、鳥羽院の北面の武士であったが、二十三歳で出家して諸国を旅し、家集『山家集』を残した。
場面は年の暮れ、場所は作者の住まいである。
直接の契機は、年の暮れに人へ便りとして歌を送ったことである。
初句「おのづから」は、自然と、こちらから働きかけなくても、の意である。
二句「言はぬを慕ふ」は、こちらから言わないのに慕ってくれる、の意である。
三句「人やあると」は、そのような人がいるかと、の意で、「や」は疑問の係助詞である。六音の字余りである。
四句「やすらふほどに」は、ためらっているうちに、の意である。
結句「年の暮れぬる」は、年が暮れてしまった、の意で、「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形であり、連体形で結んで余情を残す。相手からの便りを待ってためらううちに年が暮れ、結局自分から便りを送ることになったという、人恋しさと気恥ずかしさのまじる心を詠む。前歌までの冬の景から、年の暮れを詠む歳暮の一連へと移り、巻末へ向かう配列の始まりに置かれている。
したふ:恋しく思う
やすらふ:ためらう、ぐずぐずする
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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