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新しき年や我が身を尋め来らん
隙行く駒に道をまかせて

歌の意味
新しい年は、私の身を尋ね求めてやって来るのだろうか。隙間を駆け過ぎる馬のように早く過ぎゆく月日に、道をまかせて。
鑑賞
巻第六 冬歌 694

詞書は前の歌に続き「年の暮によみ侍りける」
 歳暮を詠む一連の四首目である。新しい年は、隙を駆け過ぎる馬のように早い月日に道をまかせて、私のもとを尋ねて来るのだろうかと詠む。詞書は前歌から続き、年の暮れに詠んだ歌である。
 作者は中納言藤原家成の子で、権大納言に至った。
 場面は年の暮れ、場所は明示されていない。
 直接の契機は、年の暮れに当たっての詠である。
 「隙行く駒」は、月日の過ぎるのが、白い馬が壁の隙間を駆け過ぎるのを見るように速いという、『荘子』に見える故事に基づく語である。

 初句「新しき」は、二句の「年」にかかる。
 二句「年や我が身を」の「や」は疑問の係助詞で、三句の「らん」と呼応する。
 三句「尋め来らん」は、尋ね求めてやって来るのだろうか、の意で、「らん」は現在推量の助動詞の連体形である。ここで切れる三句切れで、下の句とは倒置の関係になる。
 四句「隙行く駒に」は、隙間を駆け過ぎる馬に、の意で、月日の速く過ぎることのたとえである。
 結句「道をまかせて」は、道案内をまかせて、の意である。新しい年を、速く過ぎゆく月日という馬に道をまかせて自分を尋ねて来る旅人になぞらえ、年の改まる速さと、老いの身に新しい年が迫ってくることとを詠んでいる。前歌が過ぎた年々の面影を振り返ったのに対し、この歌は来る年に目を向けており、去る年と来る年とが並べられている。

とめく:尋ね求めてやって来る
ひまゆくこま:月日の過ぎるのが速いことのたとえ
作者
藤原隆季
出典
新古今和歌集
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