嘆きつつ今年も暮れぬ露の命
生けるばかりを思ひ出にして
- 歌の意味
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嘆きながら、今年も暮れてしまった。露のようにはかない命が、生きているということだけを思い出として。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 695
詞書「俊成卿家十首歌よみ侍りけるに、年の暮の心を」
歳暮を詠む一連の五首目である。嘆きながら今年も暮れてしまい、露のようにはかない命がなお生きていることだけが今年の思い出であると詠む。詞書によれば、藤原俊成の家で十首歌を詠んだ折に、年の暮れの心を詠んだ歌である。
作者は源俊頼の子で、東大寺の僧となり、白河の自坊を歌林苑と名付けて歌人たちの集う場とした。鴨長明の歌の師である。
場面は年の暮れ、場所は明示されていない。
直接の契機は、藤原俊成の家で十首歌を詠んだ折の、「年の暮」の心による詠である。
初句「嘆きつつ」は、嘆きながら、の意で、「つつ」は継続を表す。一年を嘆きのうちに過ごしたことを示す。
二句「今年も暮れぬ」は、今年も暮れてしまった、の意で、「ぬ」は完了の助動詞である。ここで切れる二句切れである。
三句「露の命」は、露のようにはかなく消えやすい命をいい、六音の字余りである。
四句「生けるばかりを」は、生きているということだけを、の意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。
結句「思ひ出にして」は、思い出として、の意である。一年を振り返っても嘆きばかりで、はかない命がまだ消えずにいることだけが今年の思い出であるという、深い寂寥を詠んでいる。前歌が来る年に目を向けたのに対し、この歌は暮れる今年を振り返っており、「今年も」の「も」によって、同じ嘆きの年が繰り返されてきたことが示されている。
つゆのいのち:露のようにはかない命
- 作者
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俊恵
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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