初春の初子の今日の玉箒
手に取るからにゆらく玉の緒
- 歌の意味
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初春の初子の日である今日の玉箒よ。手に取るとすぐに、玉を貫いた緒が揺れて、玉が触れ合い鳴ることだ。
- 鑑賞
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巻第七 賀歌 708
詞書「題しらず」
正月の初子の日を詠む一連の一首目である。初子の日の玉箒を手に取ると、飾りの玉が揺れて鳴るさまを詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者名は本集には記されない。『万葉集』では大伴家持の作とされる。
場面は正月の初子の日、場所は玉箒を賜る宮中の祝いの場である。
直接の契機は本集には記されないが、『万葉集』巻二十によれば、天平宝字二年(758)正月三日、内裏で玉箒を賜って催された宴である。
初子の日には、蚕を飼う部屋を玉箒で掃き清めて養蚕を祈る儀礼があり、正倉院には天平宝字二年正月の銘をもつ子日目利箒が伝わる。『万葉集』には家持の作として見え、奏上されなかったと記される。
初句「初春の」は、年の初めの春の、の意である。「初」の字を次句でも重ね、新年のめでたさを印象づける。
二句「初子の今日の」は、正月最初の子の日である今日の、の意である。初句から「の」を三度続けて、次の玉箒へと言葉を畳みかける。
三句「玉箒」は、玉を飾りにつけた箒である。初子の日の祝いに用いる祭具で、ここまでの「の」の連なりがこの語に集まる。
四句「手に取るからに」の「からに」は、〜するとすぐに、の意である。手に取ったその瞬間の動きがとらえられる。
結句「ゆらく玉の緒」は体言止めである。緒に貫かれた玉が揺れて触れ合い、音を立てるさまをいう。音と揺らぎに新春の祝いのはなやぎがこもる。次歌の第七百九首も子の日を詠み、正月の祝いが二首続く。
はつね:正月最初の子の日
たまばはき:玉を飾りにつけた箒。初子の日の祝いに用いる
ゆらく:玉が揺れて触れ合い、音を立てる
たまのを:玉を貫き通す緒
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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