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年ごとに生ひ添ふ竹のよよを経て
変はらぬ色を誰とかは見ん

歌の意味
年ごとに生え加わる竹が節を重ねるように、代々を経ても変わらない色を、誰の姿として見ようか。
鑑賞
巻第七 賀歌 715

詞書「延喜御時屏風歌」
 常緑の色を詠む一連の一首目である。年ごとに生え加わる竹が節を重ね、代々を経ても変わらない色を、誰の姿として見ようかと詠む。詞書によれば、延喜の御代の屏風に添えた歌である。
 作者は『古今和歌集』の撰者の一人である。
 場面は時期を定めず、場所は屏風絵に描かれた竹の生える所である。
 直接の契機は、延喜の御代に調えられた屏風に添える歌である。

 初句「年ごとに」は、毎年、の意である。一年ごとの繰り返しが、歌の時間の単位として示される。
 二句「生ひ添ふ竹の」は、生え加わる竹の、の意である。新しい竹が年々加わり、竹林が絶えることなく続くさまをいう。
 三句「よよを経て」の「よよ」は、竹の節と節の間をいう「節(よ)」と、「代々」を掛けた掛詞である。竹と「節」は縁語で、節を重ねることがそのまま代を重ねることになる。
 四句「変はらぬ色を」は、変わらない竹の色を、の意である。本巻の第七百十二首の「山藍の色は変はらざりけり」と同じく、変わらない色に長久を託す。
 結句「誰とかは見ん」の「かは」は反語で、誰の姿と見ようか、祝う相手のほかにはない、の意となる。係助詞「か」は推量の「ん」の連体形で結ぶ。一年ごとの生長を代々の尺度へと重ね、次歌の第七百十六首も松の「色は変はらず」と詠んで、常緑の色が続く。

おひそふ:生え加わる
よよ:竹の節と節の間をいう「節(よ)」の意と、代々の意を掛ける
作者
紀貫之
出典
新古今和歌集
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