千歳経る尾上の松は秋風の
声こそ変はれ色は変はらず
- 歌の意味
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千年を経た峰の上の松は、秋風に鳴る音こそ変わるけれども、その色は変わらない。
- 鑑賞
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巻第七 賀歌 716
詞書「題しらず」
常緑の色を詠む一連の二首目である。千年を経た峰の松は、秋風に鳴る音こそ変わっても、色は変わらないと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は平安時代前期の人で、甲斐少目、淡路権掾などを務め、紀貫之らとともに『古今和歌集』の撰者を務めた。
場面は秋、場所は峰の上に松の立つ山である。
直接の契機は伝わらない。
初句「千歳経る」は、千年を経た、の意である。前歌の「よよを経て」を受け、「経」の語で長い年月が続く。
二句「尾上の松は」は、峰の上の松は、の意である。高い峰にあって風を受ける松の姿が示される。
三句「秋風の」は、下の「声」に続く。季節が秋へと移り、本巻の配列も春の景物から秋の景物へと進む。
四句「声こそ変はれ」の「こそ」は強意の係助詞で、已然形「変はれ」で結ぶ。こそ〜已然形で文が続くため逆接となり、音は変わるけれども、の意となる。松に吹く風の音は季節によって変わる。
結句「色は変はらず」は、色は変わらない、の意である。「声」と「色」、「変はれ」と「変はらず」を対にして、移ろう音と変わらない色を並べる。本巻の第七百十二首の「色は変はらざりけり」、前歌の「変はらぬ色」と同じ語を用い、常緑に長久を見る趣向が重ねられる。
をのへ:山の峰の上
ふ:年月を経る
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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