山風は吹けど吹かねど白浪の
寄する岩根は久しかりけり
- 歌の意味
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山風は吹いても吹かなくても、白波の寄せる岩の根もとは、いつまでも久しく変わらないことだ。
- 鑑賞
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巻第七 賀歌 721
詞書「題しらず」
岩根の久しさに寄せて祝う歌である。山風が吹いても吹かなくても、白波の寄せる岩根はいつまでも変わらないと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は伊勢守藤原継蔭の娘で、宇多天皇の中宮藤原温子に仕えた。三十六歌仙の一人である。
場面は時期を定めず、場所は白波の寄せる岩のある水辺である。
直接の契機は伝わらない。
初句「山風は」は、山から吹き下ろす風は、の意である。前歌の第七百二十首の「峰の白雲」を受けて、山の景が続く。
二句「吹けど吹かねど」は、吹いても吹かなくても、の意である。「吹く」とその打消しを「ど」で並べ、風の有無にかかわらないことを示す。
三句「白浪の」は、白く立つ波の、の意で、下の「寄する」に続く。
四句「寄する岩根は」は、波の打ち寄せる岩の根もとは、の意である。風に吹かれ波に打たれても動かない岩が示される。
結句「久しかりけり」の「けり」は詠嘆で、久しいことだ、と気づいた感動を表す。吹いたりやんだりする風や寄せては返す波と、動かない岩根を対比し、変わらないものに長久の祝意を託す。
いはね:大地に根を張ったように据わる大きな岩
- 作者
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伊勢
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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