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万代をまつの尾山の蔭茂み
君をぞ祈る常磐堅磐に

歌の意味
万代を待つという名の松の尾山の木陰が茂っているので、君のことを、岩のように永久に変わらないようにと祈ることだ。
鑑賞
巻第七 賀歌 726

詞書「寛治八年関白前太政大臣高陽院歌合に祝の心を」
 松に寄せて祝う一連の二首目である。万代を待つという松の尾山の木陰が茂っているので、君のことを常磐堅磐にと祈ると詠む。詞書によれば、寛治八年の関白前太政大臣の高陽院での歌合で「祝」を題として詠まれた。
 作者は高階成順と伊勢大輔の娘で、神祇伯延信王の妻となり、康資王を産んだ。
 場面は時期を定めない祝いの景、場所は山城国の松の尾山である。
 直接の契機は、寛治八年(1094)、前太政大臣藤原師実が高陽院で催した歌合での「祝」の題による詠である。
 松の尾山は山城国の山で、今の京都市西京区の松尾大社の背後にあたる。

 初句「万代を」は、万代を、の意で、次の「まつ」に続いて、万代を待つ、という意を作る。
 二句「まつの尾山の」の「まつ」は、万代を「待つ」意と、「松」の尾山の意を掛けた掛詞である。地名に長寿の松を読み込み、祝意を重ねる。
 三句「蔭茂み」は、木陰が茂っているので、の意で、「み」は原因や理由を表す。本巻の第七百九首の「千代の蔭」と同じく、松の蔭が長寿のしるしとなる。
 四句「君をぞ祈る」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「祈る」で結ぶ係り結びである。ここで意味が切れる四句切れで、結句との倒置をなす。
 結句「常磐堅磐に」は、岩のように永久に変わらないように、の意である。祈りの内容を最後に置く倒置で、前歌の松の枝の数に続き、松の山の茂みに永遠の祝意をこめる。

まつ:待つ意と、松を掛ける
まつのをやま:山城国の山。松尾大社の背後にあたる
ときはかきは:岩のように永久に変わらないこと
作者
康資王母
出典
新古今和歌集
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