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君が代にあへるは誰も嬉しきを
花は色にも出でにけるかな

歌の意味
君の御代に巡りあっていることは誰もがうれしいのに、花はその喜びを色にまで表してしまったことだなあ。
鑑賞
巻第七 賀歌 732

詞書「二条院御時、花有喜色といふ心を人々つかうまつりけるに」
 二条院の御代の花を詠む一連の一首目である。君の御代に巡りあったことは誰にとってもうれしいが、花はその喜びを色にも表したと詠む。詞書によれば、二条院の御代に「花有喜色」の題で人々が歌を詠進した折の歌である。
 作者は刑部卿を務め、歌学書『和歌童蒙抄』を著した。
 場面は二条院の御代の花の咲くころ、場所は宮中である。
 直接の契機は、「花有喜色」、すなわち花に喜びの色あり、という題による詠である。
 二条院は後白河天皇の皇子で、二条天皇として保元三年(1158)から永万元年(1165)まで在位した。

 初句「君が代に」は、君の御代に、の意である。本巻の第七百十三首も同じ初句で始まり、君の御代に巡りあう春を詠む。
 二句「あへるは誰も」は、巡りあっていることは誰もが、の意である。「る」は存続を表し、今この御代にいることの喜びを示す。
 三句「嬉しきを」は、うれしいのに、の意で、「を」は接続助詞である。人々の喜びをまず述べる。
 四句「花は色にも」は、花は色にまでも、の意である。心の内が表に現れる意の「色に出づ」を花の色に言いなしており、題の「喜色」を「色」の語で受ける。
 結句「出でにけるかな」は、表に出てしまったことだなあ、の意で、「にけり」に詠嘆の「かな」を添える。人は喜びを胸の内にとどめるが、花は色に出してしまったとして、題の「花に喜びの色あり」を理屈立てて詠む。次歌の第七百三十三首も同じ御代の花の歌で、二首が並ぶ。

いろにいづ:心の内が表に現れる
作者
藤原範兼
出典
新古今和歌集
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