七十にみつの浜松老いぬれど
千代の残りはなほぞはるけき
- 歌の意味
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七十歳に満ちて、三津の浜松のように老いてしまったけれども、千代に至るまでの残りは、なおはるかに遠い。
- 鑑賞
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巻第七 賀歌 744
詞書「日吉禰宜成仲七十賀し侍りけるにつかはしける」
算賀の歌である。七十歳に満ちて三津の浜松のように老いたが、千代までの残りはなおはるかであると詠む。詞書によれば、日吉社の禰宜成仲が七十の賀を祝った折に贈った歌である。
作者名は記されていないが、前歌に続き藤原清輔の歌である。
場面は成仲の七十の賀の折、場所は三津の浜のある近江国坂本のあたりである。
直接の契機は、日吉社の禰宜祝部成仲の七十の賀である。
日吉社は近江国坂本、比叡山の麓に鎮座する社である。三津の浜は近江国の歌枕で、坂本付近の琵琶湖岸である。七十の賀は、七十歳を迎えた人の長寿を祝う算賀である。
初句「七十に」は、七十歳に、の意である。成仲の年齢を示す。
二句「みつの浜松」の「みつ」は、七十の齢に「満つ」意と、地名の「三津」を掛けた掛詞である。日吉社に近い三津の浜の松を詠み込み、成仲にゆかりの景物とする。
三句「老いぬれど」は、老いてしまったけれども、の意で、「ど」は逆接を表す。浜松の老いに成仲の老いを重ねる。
四句「千代の残りは」は、千代に至るまでの残りは、の意である。七十年を千代の途中と見る。
結句「なほぞはるけき」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「はるけき」で結ぶ係り結びである。七十歳を老いとしながら、千代を尺度にすれば残りはなおはるかであるとし、七十年という歳月を千代の尺度で測り直して祝う。
ななそぢ:七十歳
ねぎ:神職の一つ。神主の下で祭祀に仕える
みつ:七十に満つ意と、地名の三津を掛ける
- 作者
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藤原清輔
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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