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八百日行く浜の真砂を君が代の
数に取らなん沖つ島守

歌の意味
歩いて八百日もかかるほど長い浜の細かな砂を、君の御代の年の数として数え取ってほしい。沖の島の番人よ。
鑑賞
巻第七 賀歌 745

詞書「百首歌よみ侍りけるに」
 浜の真砂に寄せて御代を祝う歌である。歩いて八百日もかかる浜の真砂を、君が代の数として数えてほしい、沖の島守よと詠む。詞書によれば、百首歌を詠んだ折の歌である。
 作者は藤原実定で、藤原公能の子である。左大臣に至り、後徳大寺左大臣と呼ばれた。
 場面は時期を定めない祝いの景、場所は果てしなく続く浜辺である。
 直接の契機は、百首歌の詠である。
 本歌は『万葉集』巻四の笠女郎の歌「八百日行く浜の沙も我が恋にあに勝らじか沖つ島守」である。

 初句「八百日行く」は、歩いて八百日もかかる、の意である。本歌の初句をそのまま用い、果てしない浜の長さを示す。
 二句「浜の真砂を」は、浜の細かい砂を、の意である。本巻の第七百十首、第七百十四首に続き、無数の砂を君が代の年数に見立てる。
 三句「君が代の」は、君の御代の、の意である。本歌で恋の思いの多さと比べた砂を、ここでは御代の年数へと転じる。
 四句「数に取らなん」の「なん」は他に対する願望を表し、数として数え取ってほしい、の意である。
 結句「沖つ島守」は体言止めで、呼びかける相手を最後に置く。沖の島を守る番人である。本歌の結句をそのまま用い、恋の歌を祝いの歌へと転じる本歌取りである。本巻の第七百四十三首の「宇治の橋守」と同じく、「守」に呼びかける形をとる。

やほか:八百日。非常に多くの日数
まさご:細かい砂
しまもり:島の番人
作者
藤原実定
出典
新古今和歌集
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