近江のや坂田の稲を掛け積みて
道ある御代の初めにぞ舂く
- 歌の意味
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近江の坂田の稲を稲掛けに掛け積んで、正しい道の行われる御代の初めに、その稲を舂くことだ。
- 鑑賞
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巻第七 賀歌 753
詞書「仁安元年大嘗会悠紀歌たてまつりけるに稲舂歌」
大嘗会の歌の一連の七首目である。近江の坂田の稲を掛け積んで、正しい道の行われる御代の初めに舂くと詠む。詞書によれば、仁安元年の大嘗会で悠紀の国の歌を奉った折の稲舂歌である。
作者は藤原定家の父で、『千載和歌集』を撰進した。
場面は仁安元年の大嘗会、場所は悠紀の国である近江国の坂田である。
直接の契機は、仁安元年(1166)、六条天皇の大嘗会で悠紀の国に定められた近江国の地名を、稲舂歌として詠んだことである。
稲舂歌は、大嘗会で神に供える稲を舂くときにうたわれる歌である。坂田は近江国の郡名で、琵琶湖の東北岸の地である。
初句「近江のや」の「や」は詠嘆の間投助詞である。悠紀の国である近江の名を初めに示す。
二句「坂田の稲を」は、近江国坂田の稲を、の意である。地名の「田」が稲と結び付く。
三句「掛け積みて」は、刈り取った稲を稲掛けに掛け、積み重ねて、の意である。豊かな実りの量が示される。
四句「道ある御代の」は、正しい道の行われる御代の、の意である。前歌の第七百五十二首の「道ある世」と同じ語で、大嘗会の歌が同じ語でつながる。
結句「初めにぞ舂く」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「舂く」で結ぶ係り結びである。即位して初めての大嘗会を「御代の初め」とし、稲を舂く作業そのものを新しい御代の始まりの祝いとする。
いねつきうた:大嘗会で神に供える稲を舂くときにうたう歌
かけつむ:刈った稲を稲掛けに掛けて積み重ねる
つく:杵で打って穀物の殻を除く
- 作者
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藤原俊成
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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