見し夢を忘るる時はなけれども
秋の寝覚めはげにぞ悲しき
- 歌の意味
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見たあの夢を忘れる時はないけれども、秋の寝覚めは、おっしゃるとおり、本当に悲しいことだ。
- 鑑賞
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巻第八 哀傷歌 791
詞書「返し」
秋の景物に故人をしのぶ一連の十七首目で、前歌への返しである。見た夢を忘れる時はないけれども、秋の寝覚めはまことに悲しいと応える。詞書は返しで、前歌の殷富門院大輔の贈歌に答えたものである。
作者は内大臣源雅通の子で、内大臣に至った。後鳥羽院の近臣として権勢をふるい、和歌所の寄人も務めた。
場面は前歌と同じ父雅通が亡くなった年の秋、場所は記されていない。
直接の契機は、殷富門院大輔から贈られた前歌への返しである。
初句「見し夢を」は、前歌の結句「春の夜の夢」を受ける。父の死を、見た夢と言い表す。
二句「忘るる時は」は、忘れる時は、の意である。前歌の「いかが思ひ出づる」という問いに、思い出すまでもなく忘れる時がないと答える。
三句「なけれども」の「ども」は逆接で、忘れる時はないけれども、の意である。
四句「秋の寝覚めは」は、前歌の初句と二句の「秋深き寝覚め」を受ける。
結句「げにぞ悲しき」の「げに」は、本当に、おっしゃるとおり、の意である。「ぞ」は強意の係助詞で、「悲しき」と連体形で結ぶ。相手の問いの語をそのまま受け、秋の寝覚めこそ格別に悲しいと認めて返している。次歌の第七百九十二首も「夢ぞ悲しき」と、同じ「ぞ悲しき」で結ばれる。
ねざめ:夜中に目を覚ますこと
- 作者
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源通親
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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