亡き人をしのぶることもいつまでぞ
今日のあはれは明日の我が身を
- 歌の意味
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亡き人をしのぶことも、いつまでできることか。今日人を悼むこの悲しみは、明日には我が身のこととなるのに。
- 鑑賞
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巻第八 哀傷歌 818
詞書「返し」
遺品や住まいの跡に故人をしのぶ一連の三首目で、前歌への返しである。亡き人をしのぶこともいつまでのことか、今日の悲しみは明日の我が身のことであるのにと応える。詞書は返しで、前歌の紫式部の贈歌に答えたものである。
作者は上東門院に仕えた女房である。
場面は前歌と同じ小少将の没後、場所は記されていない。
直接の契機は、紫式部から贈られた前歌への返しである。
初句「亡き人を」は、亡き小少将を、の意である。
二句「しのぶることも」の「しのぶ」は、亡き人を慕い思い出す意である。「も」は、形見を見ることも含めて、しのぶこと自体も、の意を添える。
三句「いつまでぞ」は、いつまでのことか、の意である。前歌の「誰か世に永らへて見ん」を受け、しのぶ側の命も長くはないと応じる。ここで三句切れとなる。
四句「今日のあはれは」の「あはれ」は、人の死を悼む悲しみである。
結句「明日の我が身を」の「を」は詠嘆で、明日の我が身のことであるのに、の意である。今日人の死を悼んでいる自分も明日には悼まれる身となるという。前歌が形見を見る人の命が続かないと詠んだのを受け、しのぶ人もまたしのばれる人になると、一歩進めて返している。「今日」と「明日」の対が、人の命の短さを示す。
しのぶ:亡き人を慕い思い出す
あはれ:しみじみとした悲しみ
- 作者
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加賀少納言
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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