夜もすがら昔のことを見つるかな
語るやうつつありし世や夢
- 歌の意味
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一晩中、昔のことを夢に見たことだ。こうして語っているのが現実なのか、それとも昔あった世のほうが夢なのか。
- 鑑賞
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巻第八 哀傷歌 824
詞書「題しらず」
生前の昔を思い返す一連の二首目である。一晩中昔のことを見た、語っている今が現実なのか、あった世が夢なのかと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者は平安時代中期の学者で、文章博士を務め、歌人赤染衛門の夫である。中古三十六歌仙の一人である。
場面は昔を思い返した夜、場所は記されていない。
直接の契機は伝わらない。
初句「夜もすがら」は、一晩中、の意である。
二句「昔のことを」は、過ぎ去った昔のことを、の意である。
三句「見つるかな」の「つる」は完了、「かな」は詠嘆で、見たことだ、の意である。夜通し昔のことを夢に見たことをいう。ここで三句切れとなる。
四句「語るやうつつ」の「や」は疑問で、語っている今が現実なのか、の意である。
結句「ありし世や夢」の「ありし世」は、過ぎ去った昔の世である。「や」は疑問で、昔あった世が夢なのか、の意である。四句と結句を「…やうつつ」「…や夢」と対句に並べ、夢と現実の境が分からなくなった心を示す。前歌の第八百二十三首が生前に交わした約束を思い返したのに続き、ここでは昔そのものが夢か現実かと問われる。
よもすがら:一晩中
うつつ:現実
- 作者
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大江匡衡
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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