皆人の知り顔にして知らぬかな
必ず死ぬるならひありとは
- 歌の意味
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人はみな知っているような顔をして、実は知らないことだ。人には必ず死ぬという定めがあるということを。
- 鑑賞
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巻第八 哀傷歌 832
詞書は前の歌に続き「無常の心を」
無常の心を詠む一連の二首目である。人はみな知り顔をして知らない、必ず死ぬ定めがあるということをと詠む。詞書は前歌に続き「無常の心」を詠んだものである。
作者は関白藤原忠通の子で、天台座主を四度務め、歴史書『愚管抄』を著した。
場面と場所は記されていない。
直接の契機は、「無常の心」を題とする詠である。
初句「皆人の」は、人はみな、の意である。
二句「知り顔にして」の「知り顔」は、知っているような顔つきである。
三句「知らぬかな」の「かな」は詠嘆で、知らないことだ、の意である。二句の「知り」と三句の「知ら」を対にして、知っているふりと本当に知らないこととの落差を示す。ここで三句切れとなる。
四句「必ず死ぬる」は、必ず死ぬ、の意である。
結句「ならひありとは」の「ならひ」は、世の定め、習わしである。「とは」で、倒置によって三句の「知らぬ」の内容を結句に置く。誰もが死ぬことは知識としては知っていても、我が身のこととしては知らないという。前歌の第八百三十一首が後の世を知らずに過ごす人を詠んだのを受け、ここでは死の定めそのものを知らない人を詠む。次歌の第八百三十三首も同じ一連の歌である。
しりがほ:知っているような顔つき
ならひ:世の定め、習わし
- 作者
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慈円
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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