亡き跡の面影をのみ身に添へて
さこそは人の恋しかるらめ
- 歌の意味
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亡くなった後の面影ばかりを身に寄り添わせて、さぞかしあなたは、その人が恋しいことであろう。
- 鑑賞
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巻第八 哀傷歌 837
詞書「人に後れて嘆きける人に遣はしける」
死を悼む人を見舞う一連の二首目である。亡き後の面影ばかりを身に添えて、さぞその人が恋しいことだろうと詠む。詞書によれば、人に先立たれて嘆いている人に贈った歌である。
作者は俗名を佐藤義清といい、鳥羽院の北面の武士であったが、二十三歳で出家し、諸国を旅して歌を詠んだ。
場面は相手が人を亡くしたころ、場所は記されていない。
直接の契機は、人に先立たれて嘆く人を見舞ったことである。
初句「亡き跡の」は、亡くなった後の、の意である。
二句「面影をのみ」の「面影」は、心に浮かぶ亡き人の姿である。「のみ」は限定で、面影ばかりを、の意である。
三句「身に添へて」は、身に寄り添わせて、の意である。実際の人はいなくなり、面影だけがいつも身のそばにあることをいう。
四句「さこそは人の」の「さこそ」は、さぞかし、の意である。「こそ」は強意の係助詞で、結句の「らめ」と已然形で結ぶ。「人」は、嘆いている相手を指す。
結句「恋しかるらめ」の「らめ」は現在推量の「らん」の已然形で、恋しいことであろう、の意である。面影が身に添うほど、かえって実の人が恋しくなるという相手の心を思いやる。前歌の第八百三十六首が見舞いに向かった人の悲しみを思いやったのに続き、ここでも遺された人の心を推し量る。次歌の第八百三十八首は、見舞いをしなかったことを恨まれた歌である。
おくる:人に死なれて後に残る
おもかげ:心に浮かぶ姿
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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