かりそめの別れと今日を思へども
いさやまことの旅にもあるらむ
- 歌の意味
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今日の別れをほんの一時の別れと思うけれども、さあどうだろうか、本当の旅であるのかもしれない。
- 鑑賞
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巻第九 離別歌 881
詞書「別れの心をよめる」
帰りの時を約束しがたい別れを詠む一連の三首目である。今日の別れを一時のものと思おうとするが、あるいは本当の旅となるのかもしれないと詠む。詞書によれば、別れの心を題として詠まれた。
作者は源俊頼の子で、東大寺の僧となり、白川の自坊を歌林苑と名付けて歌人たちの集いの場とした。
場面は人と別れる今日、場所は記されていない。
直接の契機は「別れの心」の題による詠である。
初句「かりそめの」は、一時の、その場限りの、の意である。本巻の第八百八十九首も同じ初句で始まり、一時の別れと思おうとする心が繰り返し詠まれている。
二句「別れと今日を」は、今日を別れの日として示す。
三句「思へども」は、思うけれども、の意で、逆接によって自分に言い聞かせた思いが揺らぐことを示す。本巻の第八百七十九首の初句や第八百七十首の三句と同じ語である。
四句「いさやまことの」の「いさや」は、さあどうだろうか、の意で、確かでないことを表す。「まこと」は初句の「かりそめ」と対をなす。
結句「旅にもあるらむ」は、旅であるのだろうか、の意で、現在推量の「らむ」が不安を表す。一時と本当という対比によって、別れが永遠のものとなるかもしれない予感を示している。前歌が急な別れで約束できなかったことを詠んだのに対し、本歌は約束のうえで一時と思う別れにも不安を見ている。
かりそめ:一時的なこと、その場限りのこと
- 作者
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俊恵
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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