名残思ふ袂にかねて知られけり
別るる旅の行く末の露
- 歌の意味
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名残を惜しむ袂に、早くも知られたことだ。別れて行く旅の、その行く末に置くはずの露の多さが。
- 鑑賞
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巻第九 離別歌 892
詞書「都の外へまかりける人によみて贈りける」
都を離れる人に贈る一連の一首目である。別れを惜しんで濡れる袂によって、これから行く旅の露けさが早くも知られると詠む。詞書によれば、都の外へ下る人に詠んで贈った歌である。
作者は高倉天皇の皇子で、後鳥羽天皇の兄にあたり、歌人として知られた。
場面は都を離れる人を見送るとき、場所は都である。
直接の契機は、都の外へ下る人に歌を贈ったことである。
初句「名残思ふ」は、別れの名残を惜しむ、の意である。見送る側の心から歌を起こす。
二句「袂にかねて」は、袂によって前もって、の意である。涙に濡れる袂が、これから起こることを告げる場となる。
三句「知られけり」は、自然と知られた、の意で、助動詞「る」が自発を表す。意図して知ったのではなく、おのずと知られたという言い方である。
四句「別るる旅の」は、別れて行く旅の、の意である。本巻の第八百六十六首の「行く末に」と同じく、旅の先に目を向ける語が続く。
結句「行く末の露」は体言止めで、旅の道に置く草の露と、旅先で流す涙とを重ねる。今ここで濡れている袂が旅先の露を先取りしているという仕立てであり、見送る側の涙と行く人の旅路とが一続きのものとして詠まれている。
なごり:別れたあとに残る心残り
つゆ:草に置く露、また涙のたとえ
- 作者
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惟明親王
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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