別れ路は雲居のよそになりぬとも
そなたの風のたより過ぐすな
- 歌の意味
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別れの道は、雲のかなたのよそになってしまっても、そちらから吹く風の便りを絶やしてくれるな。
- 鑑賞
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巻第九 離別歌 894
詞書「遠き国へまかりける人に遣はしける」
都を離れる人に贈る一連の三首目である。雲のかなたに離れてしまっても、風の便りを絶やすなと願う。詞書によれば、遠い国へ下る人に贈った歌である。
作者は参議源基平の子で、大蔵卿に至り、歌人として知られた。
場面は遠い国へ下る人を見送るとき、場所は都である。
直接の契機は、遠い国へ下る人に歌を贈ったことである。
初句「別れ路は」は、別れて行く道は、の意である。本巻の第八百七十二首、第八百七十四首と同じ初句であり、本巻に三度用いられた語となる。
二句「雲居のよそに」は、雲のかなたのよそに、の意である。「雲居」は本巻の第八百七十七首にも用いられ、遠く隔たることを空の語で示す言い方である。
三句「なりぬとも」は、なってしまっても、の意で、完了の「ぬ」に「とも」が付いて仮定の逆接を表す。
四句「そなたの風の」は、そちらの方角から吹く風の、の意である。隔てる空を、便りを運ぶ道として捉え直している。
結句「たより過ぐすな」は、便りの機会をやり過ごすな、の意で、禁止の「な」で結ぶ。本巻の第八百五十九首が雁の翼に便りを託して絶やすなと願ったのと同じ趣向であり、離れてのちの音信を求める歌が巻の初めと終わり近くに置かれている。
くもゐ:雲のあるはるかな所
たより:音信、便り
すぐす:やり過ごす、見過ごす
- 作者
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源行宗
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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