- 歌の意味
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色深く染めた旅の狩衣を、帰って来るまでの形見とも思って見てほしい。
- 鑑賞
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巻第九 離別歌 895
詞書「人の国へまかりける人に狩衣遣はすとてよめる」
都を離れる人に贈る一連の四首目であり、離別歌の巻末歌である。色深く染めた旅の狩衣を、帰るまでの形見と思って見よと詠む。詞書によれば、地方の国へ下る人に狩衣を贈る際に詠まれた。
作者は藤原定頼の子で、母は歌人の相模であり、平安時代後期の官人として国司を歴任した。
場面は地方の国へ下る人を見送るとき、場所は都である。
直接の契機は、地方の国へ下る人に狩衣を贈ったことである。
初句「色深く」は、色を濃く、の意である。染めの濃さをいうと同時に、贈る心の深さも思わせる。
二句「染めたる旅の」は、染めた旅の、の意で、旅の装いとして誂えた衣であることを示す。
三句「狩衣」は、もと狩に用いた略式の衣で、旅の装束として贈られる。本巻の第八百五十七首の装束、第八百六十首の旅衣と同じく、衣を贈る別れの歌である。
四句「帰らむまでの」は、帰って来るまでの、の意である。帰る日を待つ時間が、衣に託される。
結句「形見ともみよ」は、形見とも思って見よ、の意の命令形である。巻頭の第八百五十七首が「形見がてらに」と衣を贈ったのに対し、巻末の本歌も衣を形見として贈っており、巻頭と巻末が衣と形見で呼応して離別歌の巻が閉じられている。
かりぎぬ:もと狩に用いた略式の衣で、のちに男子の平常の装束となったもの
かたみ:別れた人をしのぶよすがとなる物
ひとのくに:都以外の地方の国
- 作者
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藤原顕綱
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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