- 歌の意味
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旅寝をして、明け方に鹿の鳴く声を聞くと、その声に合わせるように、稲の葉を押しなびかせて秋風が吹くことだ。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 920
詞書「旅歌とてよみ侍りける」
旅寝の寂しさを詠む一連の一首目である。旅寝をして明け方に鹿の声を聞くと、稲葉を押しなびかせて秋風が吹くと、旅の暁の寂しさを詠む。詞書によれば、旅の歌として詠まれた。
作者の「大納言経信」は源経信である。平安時代後期の公卿で、正二位大納言に至り、桂大納言と呼ばれた。源俊頼の父で、晩年は大宰権帥として筑紫に下り、その地で没した。
場面は秋の旅寝の明け方、場所は稲田の広がる旅先である。
直接の契機は「旅」を題として詠んだことである。
初句「旅寝して」は、旅先で寝て、の意である。本巻の第九百十一首、第九百十二首、第九百十六首に続いて「旅寝」の語が詠まれ、ここから旅寝の寂しさを詠む歌が続く。
二句「暁方の」は、夜明け前の、の意である。前歌の「小夜更けて」から時が移り、明け方の景となる。
三句「鹿の音に」は、鹿の鳴く声に、の意である。秋の鹿は妻を求めて鳴くものとされ、その声が旅寝の耳に届く。
四句「稲葉押しなみ」は、稲の葉を押しなびかせて、の意である。鹿の声に応じるように、秋風が稲葉を一面になびかせるさまを示す。
結句「秋風ぞ吹く」は、秋風が吹くことだ、の意である。係助詞「ぞ」を受けて連体形「吹く」で結ばれる。前歌が浦風と波の音を聞く難波の夜を詠んだのに対し、この歌は鹿の声と秋風を聞く野の暁を詠み、水辺と野、夜と暁の対照をなしている。
あかつきがた:夜明け前のまだ暗いころ
おしなむ:押してなびかせる
- 作者
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源経信
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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