- 歌の意味
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芦の葉を刈って屋根を葺いた身分の低い者の住む山里の家で、衣の片袖だけを敷いて独り旅寝をすることだ。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 922
詞書「御冷泉院御時上の男ども旅の歌よみ侍りけるに」
旅寝の寂しさを詠む一連の三首目である。芦の葉を刈って屋根を葺いた賤の山里の家で、衣を片敷いて旅寝をすると、粗末な宿りでの独り寝を詠む。詞書によれば、後冷泉院の御代に殿上人たちが旅の歌を詠んだ折の歌である。
作者の「左近中将隆綱」は源隆綱である。宇治大納言源隆国の子で、平安時代中期の公卿である。「左近中将」は左近衛中将の略である。
場面は旅の夜、場所は芦葺きの賤の家がある山里である。
直接の契機は、後冷泉院の御代に殿上人たちが旅の歌を詠んだ催しである。
詞書の「御冷泉院」は後冷泉院を指し、「上の男ども」は殿上に仕える男たち、すなわち殿上人をいう。
初句「芦の葉を」は、芦の葉を、の意で、屋根を葺く材料を示す。
二句「刈り葺く賤の」は、刈って屋根を葺いた身分の低い者の、の意である。粗末な宿りであることが示される。
三句「山里に」は、山里の家に、の意である。芦葺きの家が山里にあることで、都から遠く離れた旅先の侘しさが示される。
四句「衣片敷き」は、自分の衣の片袖だけを敷いて、の意である。共寝の相手のいない独り寝を表す表現である。
結句「旅寝をぞする」は、旅寝をすることだ、の意である。係助詞「ぞ」を受けて連体形「する」で結ばれる。前歌がいとしい人の旅寝の衣を思いやったのに対し、この歌では旅人自身が衣を片敷いて独り寝をしており、「衣」の語でつながる。本巻の第九百十首で宿のなかった旅人に対し、ここでは粗末ながら賤の家に宿りを得ているが、独り寝の寂しさはなお残る。
うへのをのこ:殿上に仕える男、殿上人
しづ:身分の低い者
かたしく:自分の衣の片袖だけを敷いて独り寝をする
- 作者
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源隆綱
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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