- 歌の意味
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山道ですっかり濡れてしまったことだ。白露の置く暁に起きて出立し、木々からしたたる雫によって。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 924
詞書「堀河院の百首歌に」
旅寝の寂しさを詠む一連の五首目である。暁に起きて山路を行くと、白露の置いた木々の雫にすっかり濡れてしまったと、早立ちの旅の朝を詠む。詞書によれば、堀河院の時代の百首歌として詠まれた。
作者の「権中納言国信」は源国信である。右大臣源顕房の子で、堀河天皇に近く仕え、権中納言に至った平安時代後期の公卿である。
場面は旅の暁、場所は木々の茂る山路である。
直接の契機は、堀河天皇の時代に歌人たちが百首歌を詠進した『堀河百首』である。
初句「山路にて」は、山道で、の意である。本巻の第九百二首で見送る側が思いやった「山路」を、ここでは旅人自身が歩んでいる。
二句「そをちにけりな」は、すっかり濡れてしまったことだ、の意である。「そほつ」は濡れる意で、「にけりな」は今気づいた感慨を詠嘆をこめて示す。ここで句が切れる二句切れで、濡れた理由は倒置によって下に置かれる。第九百二首の「朝霧に濡れにし衣」と同じく、山路の旅人が濡れる姿が詠まれる。
三句「白露の」は、白露が、の意で、次の「おき」にかかる。
四句「暁おきの」の「おき」には、旅人が暁に「起き」る意と、白露が「置き」の意が掛けられている。本巻の第九百二十首の「暁方」に続き、旅の暁が詠まれる。
結句「木々の雫に」は、木々からしたたる雫によって、の意である。倒置によって濡れた原因が最後に示される。前歌の「一人露けき」が涙を含む露であったのに対し、この歌は実際の露の雫に濡れる旅の朝を詠んでいる。
そほつ:しっとりと濡れる
おき:暁に「起き」る意と、白露が「置き」の意を掛ける
- 作者
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源国信
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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