- 歌の意味
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旅寝をしている人は気をつけよ。夜明けの空に残る有明の月も、もう西に傾いてしまった。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 925
詞書は前の歌に続き「堀河院の百首歌に」
旅寝の寂しさを詠む一連の六首目である。旅寝をしている人よ、気をつけよ、有明の月ももう傾いてしまったと、夜明けの近いことを旅寝の人に告げる。詞書によれば、堀河院の時代の百首歌として詠まれた。
作者の「大納言師頼」は源師頼である。左大臣源俊房の子で、大納言に至った平安時代後期の公卿である。
場面は旅寝の明け方、場所は有明の月の傾く旅の宿りである。
直接の契機は、堀河天皇の時代に歌人たちが百首歌を詠進した『堀河百首』である。
初句「草枕」は、旅にかかる枕詞で、ここでは「旅寝」にかかる。本巻の第九百二十三首の結句「草枕かな」を受けるように、ここでは初句に草枕が置かれている。
二句「旅寝の人は」は、旅寝をしている人は、の意である。旅寝の人に向けて呼びかける形をとる。
三句「心せよ」は、気をつけよ、用心せよ、の意である。命令形で言い切る三句切れで、寝過ごすことのないよう戒めている。
四句「有明の月も」は、夜が明けても空に残る月も、の意である。助詞「も」によって、夜がすでに尽きようとしていることを示す。
結句「傾きにけり」は、西に傾いてしまった、の意である。気づきの「けり」で、夜明けの迫ったことを告げる。前歌が暁に起きて山路を行く旅人を詠んだのに対し、この歌はまだ寝ている旅人に起きよと促しており、起きた者と寝ている者が対をなしている。
ありあけ:夜が明けても空に月が残っていること、そのころ
- 作者
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源師頼
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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