松が根に尾花刈り敷き夜もすがら
片敷く袖に雪は降りつつ
- 歌の意味
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松の根元に尾花を刈って敷き、一晩中、独り寝に片方だけ敷いた袖に、雪が降り続けている。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 929
詞書「旅宿雪といへる心をよみ侍りける」
旅の雪を詠む一連の二首目である。松の根元に尾花を刈り敷いて一晩中寝ていると、片敷いた袖に雪が降り続けると、雪の夜の野宿を詠む。詞書によれば「旅宿雪」の題で詠まれた。
作者の「修理大夫顕季」は藤原顕季である。平安時代後期の公卿で、白河院に近く仕え、修理大夫を務めた。歌道の家である六条藤家の祖である。
場面は雪の降る冬の夜、場所は松の根元の野宿の床である。
直接の契機は「旅宿雪」の題による詠である。
初句「松が根に」は、松の根元に、の意である。宿のない野宿の場所が示される。
二句「尾花刈り敷き」は、すすきの穂を刈って下に敷いて、の意である。本巻の第九百十一首の「浜荻折り伏せて」と同じく、草を敷いた旅寝の床が詠まれる。
三句「夜もすがら」は、一晩中、の意である。雪の夜の長さが示される。
四句「片敷く袖に」は、独り寝のために片方だけ敷いた袖に、の意である。本巻の第九百二十二首の「衣片敷き」と同じく、独り寝を表す表現である。
結句「雪は降りつつ」は、雪が降り続けて、の意である。前歌の結句「雪積もりつつ」と同じく「つつ」で結んで継続を表す。前歌が見る側から旅人の笠に積もる雪を詠んだのに対し、この歌は旅人自身の袖に降る雪を詠んでおり、見る側と旅人自身の立場が反転している。
をばな:穂の出たすすき
かりしく:刈って下に敷く
かたしく:自分の衣の片袖だけを敷いて独り寝をする
- 作者
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藤原顕季
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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