草枕ほどぞ経にける都出でて
幾夜か旅の月に寝ぬらん
- 歌の意味
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旅に出てずいぶん時が経ったことだ。都を出てから、幾夜、旅の月の下で寝たことだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 931
詞書「関戸の院といふ所にて羇中見月といふ心を」
旅の月を詠む一連の二首目である。旅に出てずいぶん時が経った、都を出てから幾夜旅の月の下で寝たことだろうと、重ねた旅寝の夜を振り返る。詞書によれば、関戸の院という所で「羇中見月」の題で詠まれた。
作者の大江嘉言は、平安時代中期の官人で歌人である。中古三十六歌仙の一人である。
場面は都を出て日を重ねた旅の夜、場所は関戸の院である。
直接の契機は、関戸の院での「羇中見月」の題による詠である。
初句「草枕」は旅にかかる枕詞で、ここでは旅の身を表す。本巻の第九百二十五首に続き、初句に草枕が置かれる。
二句「ほどぞ経にける」は、ずいぶん時が経ったことだ、の意である。係助詞「ぞ」を受けて過去の「ける」が連体形で結ばれ、ここで句が切れる二句切れである。
三句「都出でて」は、都を出てから、の意である。六音の字余りの句で、旅の起点である都を振り返る。
四句「幾夜か旅の」は、幾夜、旅の、の意である。係助詞「か」による疑問で、結句の「らん」が連体形で結ばれる。
結句「月に寝ぬらん」は、月の下で寝たのだろうか、の意である。完了の「ぬ」に推量の「らん」が付き、重ねてきた夜を振り返って推し量る。前歌が八月十五夜という一夜の月を詠んだのに対し、この歌は幾夜にもわたる旅の月を詠んでおり、同じ旅の月を一夜と幾夜という異なる尺度で詠んでいる。
ぬ:寝る
せきどのゐん:旅の途中に泊まった所の名
- 作者
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大江嘉言
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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