- 歌の意味
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いっしょに出立したあの空が忘れられない。都の山にかかっていた有明の月よ。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 936
詞書「旅の歌とてよめる」
旅の月を詠む一連の七首目である。都の山にかかる有明の月とともに出立した、あの時の空が忘れられないと、旅立ちの朝を振り返る。詞書によれば、旅の歌として詠まれた。
作者の「摂政太政大臣」は藤原良経である。関白九条兼実の子で、摂政太政大臣に至り、『新古今和歌集』の仮名序を書いた。九条良経とも呼ばれる。
場面は旅先で出立の朝を思い出す時、場所は都を離れた旅先である。
直接の契機は「旅」を題として詠んだことである。
初句「もろともに」は、いっしょに、の意である。結句の有明の月とともに都を出たことを示す。
二句「出でし空こそ」は、出立した時の空は、の意である。本巻の第九百三十四首の「なくなく出でし」と同じく、過去の「し」で旅立ちの時を振り返る。
三句「忘られね」は、忘れることができない、の意である。係助詞「こそ」を受けて打消の「ず」が已然形「ね」で結ばれ、ここで句が切れる三句切れである。
四句「都の山の」は、都を囲む山の、の意である。旅立ちの朝に見た都の景が示される。
結句「有明の月」は、夜が明けても空に残る月、の意で、体言止めで結ばれる。本巻の第九百二十五首では旅寝の人に夜明けを告げる月であった「有明の月」が、ここでは都を出た朝をともにした月として詠まれる。旅の月の一連の中で、今見る月から出立の時の月へと思いが戻っている。
ありあけ:夜が明けても空に月が残っていること、そのころ
- 作者
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藤原良経
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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