- 歌の意味
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東国への旅路で私が夜更けにもの思いに沈んで眺めていたことを、都の人に語ってほしい。都の山にかかる月の光よ。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 942
詞書「旅歌とてよみ侍りける」
旅の月を詠む一連の十三首目である。東路の旅で夜更けに物思いに沈んで眺めていたさまを、都の山にかかる月よ、都の人に語ってほしいと、旅先から都への思いを月に託す。詞書によれば、旅の歌として詠まれた。
作者の慈円は、関白藤原忠通の子で、天台座主を四度務め、歴史書『愚管抄』を著した。
場面は東国への旅の夜更け、場所は東路の旅先である。
直接の契機は「旅」を題として詠んだことである。
初句「東路の」は、都から東国へ向かう道の、の意である。本巻の第九百七首と同じ初句で、東国への旅が示される。
二句「夜半の眺めを」は、夜更けにもの思いに沈んで眺めていたことを、の意である。「眺め」は物思いに沈みながら見やることをいう。
三句「語らなん」は、語ってほしい、の意である。「なん」は他に対する願望を表す終助詞で、ここで句が切れる三句切れである。
四句「都の山に」は、都を囲む山に、の意である。本巻の第九百三十六首の「都の山の有明の月」と同じく、都の山にかかる月が詠まれる。
結句「かかる月影」は、かかっている月の光、の意で、体言止めで結ばれる。呼びかけの対象が倒置によって最後に置かれる。前歌が故郷の月に自分の面影が見えているだろうと推し量ったのに対し、この歌は都の山の月に自分の物思いを語ってくれと頼んでおり、旅先の思いを月に託して都へ届ける趣向が続けられている。
あづまぢ:都から東国へ向かう道
ながめ:物思いに沈みながら見やること
- 作者
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慈円
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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