- 歌の意味
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磯の暮らしに慣れても、心も打ち解けて眠れない菰の枕よ。荒々しく打ちかかってくれるな、水辺の白波よ。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 946
詞書は前の歌に続き「題しらず」
旅の枕を詠む一連の一首目である。磯の暮らしに慣れても心の打ち解けない菰枕に、荒々しく打ちかかるな、水辺の白波よと、水辺の旅寝の落ち着かなさを詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「権中納言定頼」は藤原定頼である。藤原公任の子で、権中納言に至った平安時代中期の公卿である。中古三十六歌仙の一人である。
場面は水辺の旅寝の夜、場所は白波の打ち寄せる水辺の宿りである。
直接の契機は伝わらない。
初句「磯馴れて」は、磯の暮らしに慣れても、の意である。本巻の第九百二十六首の初句「磯馴れぬ」と対になる語で、あちらが慣れない心を詠んだのに対し、ここでは慣れてもなお解けない心を詠んでいる。
二句「心も解けぬ」は、心も打ち解けない、の意である。安らかに眠ることのできない旅寝の心を示す。
三句「菰枕」は、菰を束ねて作った枕、の意である。ここで句が切れる三句切れで、粗末な旅の枕が示される。
四句「荒くな掛けそ」は、荒々しく打ちかかるな、の意である。「な…そ」は禁止を表す。第九百二十六首の「かかる白波」が小屋に打ちかかる波であったのに対し、ここではその波に掛かるなと呼びかけている。
結句「水の白波」は、水辺の白波、の意で、体言止めで呼びかけの対象を示す。本巻の第九百三十三首の「波に荒らすな」と同じく、波に向かって禁止の言葉を向ける形である。ここから旅の枕を詠む歌が続く。
いそなる:磯の暮らしに慣れる
こもまくら:菰を束ねて作った枕
- 作者
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藤原定頼
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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