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白雲のかかる旅寝も習はぬに
深き山路に日は暮れにけり

歌の意味
白雲のかかるような、このような旅寝にも慣れていないのに、深い山道で日が暮れてしまった。
鑑賞
巻第十 羈旅歌 950

詞書「旅にてよみ侍りける」
 日暮れの旅路と宿を詠む一連の一首目である。白雲のかかるような山中の旅寝にも慣れていないのに、深い山路で日が暮れてしまったと、山中で日暮れを迎えた旅人の心細さを詠む。詞書によれば、旅の途中で詠まれた歌である。
 作者の永縁は、平安時代後期の興福寺の僧で、権僧正に至った。
 場面は旅の途中の日暮れ、場所は深い山路である。
 直接の契機は、旅の途中での詠である。

 初句「白雲の」は、白雲が、の意で、次の「かかる」を導く。本巻の第九百三十九首の「末の白雲」に続き、山にかかる白雲が詠まれる。
 二句「かかる旅寝も」の「かかる」には、白雲が「懸かる」意と、「このような」の意が掛けられている。白雲のかかる高い山中での、このような旅寝が一語で示される。
 三句「習はぬに」は、慣れていないのに、の意である。本巻の第九百二十六首の「磯馴れぬ」が磯の暮らしに慣れない旅人を詠んだのと同じく、ここでは山中の旅寝に慣れない旅人が詠まれる。
 四句「深き山路に」は、深い山道に、の意である。宿を求めることのできない山の奥深さが示される。
 結句「日は暮れにけり」は、日が暮れてしまった、の意である。気づきの「けり」で、慣れない山中で夜を迎える心細さを示す。前歌が山路で重ねた夜を振り返ったのに対し、この歌は山路で迎える日暮れを詠み、ここから日暮れの旅路と宿を詠む歌が続く。

かかる:白雲が「懸かる」意と、「このような」の意を掛ける
ならふ:慣れる
作者
永縁
出典
新古今和歌集
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