- 歌の意味
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今夜はどこに宿を借りようか。狩衣の紐を結う、その日も夕暮れとなり、峰から嵐が吹きつけるなかで。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 952
詞書「摂政太政大臣家歌合に羇中晩嵐といふことをよめる」
日暮れの旅路と宿を詠む一連の三首目である。日も暮れて峰の嵐が吹くなかで、今夜はどこに宿を借りようかと、日暮れの山中で宿を求める旅人の心を詠む。詞書によれば、摂政太政大臣の家の歌合で「羇中晩嵐」の題で詠まれた。
作者の「定家朝臣」は藤原定家である。藤原俊成の子で、鎌倉時代初期の歌人である。『新古今和歌集』の撰者の一人である。
場面は旅の日暮れ、場所は嵐の吹きおろす峰のふもとの旅路である。
直接の契機は、摂政太政大臣藤原良経の家で催された歌合の「羇中晩嵐」の題による詠である。
初句「いづくにか」は、どこに、の意である。係助詞「か」による疑問で、宿を求める旅人の迷いを示す。結びは掛詞の「かり」に流れて省略されている。
二句「今宵は宿を」は、今夜は宿を、の意である。本巻の第九百五首の「宿や借らまし」、前歌の「宿を借るらん」に続き、宿を借りることが詠まれる。
三句「かり衣」の「かり」には、宿を「借り」の意と、「狩衣」が掛けられている。狩衣は旅の装束であり、次の「ひも」の縁語となる。
四句「ひも夕暮の」の「ひも」には、狩衣の「紐」と「日も」が掛けられ、さらに紐を「結ふ」の意と「夕暮」が掛けられている。狩衣、紐、結ふと縁語を連ねながら、日の暮れる時刻へと転じている。
結句「峰の嵐に」は、峰から吹きおろす嵐のなかで、の意である。倒置によって宿を求める理由が最後に置かれる。前歌が見る側から旅人の宿を案じたのに対し、この歌は旅人自身が宿を求めており、見る側と旅人の立場が再び入れ替わっている。
かりぎぬ:宿を「借り」の意と、旅の装束「狩衣」を掛ける
ひも:衣の「紐」と「日も」を掛ける
ゆふ:紐を「結ふ」の意と、「夕」を掛ける
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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