- 歌の意味
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旅人の袖を吹き返す秋風のなかで、夕日の光が寂しく差している山の懸け橋よ。
- 鑑賞
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巻第十 羈旅歌 953
詞書「旅の歌とてよめる」
日暮れの旅路と宿を詠む一連の四首目である。旅人の袖を吹き返す秋風のなか、夕日の寂しく差す山の懸け橋を詠み、日暮れの山路の寂しさを一幅の景として描く。詞書によれば、旅の歌として詠まれた。
作者名は記されておらず、前歌に続いて藤原定家の作である。藤原定家は藤原俊成の子で、鎌倉時代初期の歌人である。『新古今和歌集』の撰者の一人である。
場面は秋の夕暮れ、場所は山の懸け橋である。
直接の契機は「旅」を題として詠んだことである。
初句「旅人の」は、旅人の、の意である。旅人の姿を外から描く。
二句「袖吹き返す」は、袖をひるがえす、の意である。風に翻る袖によって、風の強さと旅人の心細さが示される。
三句「秋風に」は、秋風のなかで、の意である。本巻の第九百二十首の「秋風ぞ吹く」に続き、旅の秋風が詠まれる。
四句「夕日寂しき」は、夕日の光が寂しく差している、の意である。本巻の第九百五十一首の「夕日さす」に続き、夕日の旅路が詠まれる。
結句「山のかけはし」は、山の崖に板を渡して作った道、の意で、体言止めで結ばれる。本巻の第九百六首と同じ結句であり、あちらが白雲のたなびく懸け橋を今日越えるかと思う旅人の心を詠んだのに対し、この歌は秋風と夕日のなかの懸け橋を景として描いている。
かけはし:険しい崖に板を渡して作った道
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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