雲のゐる遠山鳥のよそにても
ありとし聞けばわびつつぞ寝る
- 歌の意味
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雲のかかる遠い山の山鳥のように離れていても、あの人がこの世に無事でいると聞くので、思い悩みながら寝ることだ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1371
詞書は前の歌に続き「題しらず」
鳥獣に寄せる一連の一首目である。雲のかかる遠い山の山鳥のように離れていても、相手が無事でいると聞くと、かえって思い悩みながら寝ると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「読人しらず」は、名の伝わらない作者であることを示す。
初句「雲のゐる」は、雲のかかっている、の意である。前歌までの雲の一連を受け、ここから鳥獣の歌へと移るつなぎとなっている。
二句「遠山鳥の」は、遠い山にすむ山鳥の、の意である。山鳥は雌雄が夜は峰を隔てて別々に寝るとされ、離れて寝る恋のたとえとして詠まれてきた。初句と二句が、「よそ」を導く序詞となる。
三句「よそにても」は、離れた所にいても、の意である。
四句「ありとし聞けば」は、無事でいると聞くので、の意である。「し」は強めである。
結句「わびつつぞ寝る」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「寝る」で結ぶ係り結びである。本巻の第千三百五十六首、第千三百五十九首の結句「恋ひつつぞ寝る」と同じ「~つつぞ寝る」の形で、独り寝の嘆きを詠んでいる。
やまどり:キジ科の鳥で、雌雄が夜は峰を隔てて別々に寝るとされた
わぶ:思い悩む、つらく思う
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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中空に立ちゐる雲の跡もなく 身のはかなくもなりぬべきかな
- 次の歌
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昼は来て夜は別るる山鳥の 影見る時ぞ音は泣かれける