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頼みありて今行く末を待つ人や
過ぐる月日を嘆かざるらむ

歌の意味
頼みとするものがあって、今は将来を待っている人は、過ぎてゆく月日を嘆かないのだろうか。
鑑賞
巻第十八 雑歌下 1839

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 世を恨み嘆く心を詠む歌の四首目である。頼みとするものがあって将来を待つ人は、過ぎてゆく月日を嘆かないのだろうか、と詠む。頼みもなく月日の過ぎるのを嘆くわが身と、将来に望みを持つ人とを引き比べている。
 作者の「法橋行遍」は、平安末期から鎌倉時代の僧である。法橋は僧位の一つである。

 初句「頼みありて」は、頼みとするものがあって、の意である。六音の字余りである。
 二句「今行く末を」は、今は将来を、の意である。
 三句「待つ人や」の「や」は疑問の係助詞である。将来に望みを持って待つ人をいう。
 四句「過ぐる月日を」は、過ぎてゆく月日を、の意である。本巻の第千八百二十四首の「過ぐる月日」と同じ語である。
 結句「嘆かざるらむ」は、係助詞「や」を受けて現在推量の助動詞「らむ」の連体形で結ぶ係り結びである。望みを持つ人を思いやる形で、頼みのないわが身の嘆きを裏返しに示している。

たのみ:頼りとするもの。期待
ほふけう:僧位の一つ
作者
行遍
出典
新古今和歌集
前の歌
数ならぬ身はなきものになしはてつ 誰がためにかは世をも恨みむ
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長らへて生けるをいかにもどかまし 憂き身のほどをよそに思はば