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長らへて生けるをいかにもどかまし
憂き身のほどをよそに思はば

歌の意味
つらいわが身のほどを、もし他人のことと思うならば、こうして生き長らえているのを、どれほど非難することだろう。
鑑賞
巻第十八 雑歌下 1840

詞書「守覚法親王五十首歌よませ侍りけるに」
 世を恨み嘆く心を詠む歌の五首目である。つらいわが身のほどを他人のことと思ったならば、こうして生き長らえているのをどれほど非難することだろう、と詠む。自らを外から見る目で、生きながらえる身の見苦しさを省みている。詞書によれば、守覚法親王が詠ませた五十首歌の中の歌である。
 作者の「源師光」は、平安末期から鎌倉初期の歌人である。
 守覚法親王は後白河天皇の皇子で、仁和寺の門跡となった。

 初句「長らへて」は、生き長らえて、の意である。
 二句「生けるをいかに」は、生きているのを、どれほど、の意である。
 三句「もどかまし」は、非難することだろう、の意である。「まし」は反実仮想の助動詞で、結句の仮定と呼応し、ここで句切れとなる。
 四句「憂き身のほどを」は、つらいわが身の境遇を、の意である。
 結句「よそに思はば」は、他人のことと思うならば、の意である。倒置によって仮定を後に示し、他人のことなら責めるであろう生き方を自らしていると省みている。

もどく:非難する。とがめる
よそ:自分とは関わりのないこと
作者
源師光
出典
新古今和歌集
前の歌
頼みありて今行く末を待つ人や 過ぐる月日を嘆かざるらむ
次の歌
憂き世をば出づる日ごとに厭へども いつかは月の入る方を見む