日の光やぶし分かねば石上
ふりにし里に花も咲きけり
- 歌の意味
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日の光は藪であっても分け隔てなく照らすので、石上の布留の古びた里にも花が咲いたことだ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌上 870
詞書「石上並松が宮仕へもせで石上といふ所に籠り侍りけるを、にはかに冠賜はれりければ、喜び言ひ遣はすとて詠みて遣はしける」
宮仕えもせず石上に引きこもっていた石上並松が、思いがけず五位の位を授かったことを祝って贈った歌である。帝の恵みを日の光に、叙爵を花が咲くことに喩え、古びた里にも花が咲いたと喜んでいる。
作者の「ふるのいまみち」は布留今道である。平安時代前期の歌人であるが、伝は詳らかでない。石上並松についても伝は明らかでない。
初句「日の光」は、分け隔てなく恵みを与える帝の威光を喩える。
二句「やぶし分かねば」の「し」は強意の副助詞で、藪であっても区別しないのでの意となる。日陰の身にも光が届くことをいう。
三句「石上」は、布留にかかる枕詞であり、並松が籠もっていた地名でもある。
四句「ふりにし里に」は、「古りにし」と地名の「布留」を掛けた掛詞で、古びた里、布留の里の意となる。
結句「花も咲きけり」は、叙爵の喜びを花の開花に喩え、詠嘆の「けり」で結ぶ。
ふる:古くなる意と、地名の布留を掛ける
かうぶり:冠、ここでは五位に叙せられること
やぶ:草木の茂った所、藪
- 作者
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布留今道
- 出典
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古今和歌集
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色なしと人や見るらむ昔より 深き心に染めてしものを
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大原や小塩の山も今日こそは 神代のことも思ひ出づらめ