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人目多み逢はなくのみぞ心さへ
妹を忘れて我が思はなくに

歌の意味
人目が多いので逢わないだけなのだ。心までもあなたを忘れて思っているわけではないのに。
鑑賞
巻第四 相聞 770

詞書「大伴宿祢家持の久迩京より坂上大嬢に贈る歌五首」
 久迩京から坂上大嬢に贈った五首の最初の歌である。人目が多いので逢わないだけで、心まであなたを忘れているわけではないと弁解する。
 作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。

 初句「人目多み」は、人目が多いのでの意である。
 二句「逢はなくのみぞ」は、逢わないだけだの意で、ここで切れる二句切れである。
 三句「心さへ」は、心までもの意である。
 四句「妹を忘れて」は、あなたを忘れての意である。
 結句「我が思はなくに」は、思っていないのにの意で、忘れていないことを訴えて結ぶ。

ひとめ:人の見る目、世間の目
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
ひさかたの雨の降る日をただ独り 山辺に居ればいぶせかりけり
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偽りも似つきてぞするうつしくも まこと我妹子我れに恋ひめや