梅の花折りかざしつつ諸人の
遊ぶを見れば都しぞ思ふ
- 歌の意味
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梅の花を折って髪に挿しながら、人々が遊んでいるのを見ると、都のことが思われる。
- 鑑賞
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巻第五 雑歌 843
詞書は前の歌に続き「梅花の歌三十二首 并せて序」
梅を髪に挿して人々が遊ぶのを見ていると、都のことが思い出されると詠む一首である。宴の華やかさがかえって都での春の遊びを思い起こさせ、遠い筑紫にいる官人たちの望郷の思いを代弁している。
天平二年正月十三日、大宰帥大伴旅人の邸宅に大宰府の官人や九州諸国の国司らが集い、庭の梅を題に詠み合った「梅花の宴」の歌三十二首の一首である。漢文の序は、初春の令月に気は良く風は和らぎ、梅は鏡の前の白粉のように白く開き、蘭は身に帯びた香のように薫ると記し、令和の元号の典拠となったことでも知られる。序は、中国の詩文に落梅の篇があるように、園の梅を題に短歌を詠もうと結ばれている。歌の末尾に「土師氏御道」とあり、官職は記されていない。
作者の土師御道は、土師氏の人で、官職は記されていない。
初句「梅の花」は、宴の主題である。
二句「折りかざしつつ」は、第八百二十八首の二句と同じ句である。
三句「諸人の」は、第八百三十二首と同じく、宴に集う人々を指す。
四句「遊ぶを見れば」は、その遊ぶさまを見ると、の意で、見ることをきっかけに心が都へ向かう。
結句「都しぞ思ふ」の「し」は強意、「ぞ」は係助詞で、「思ふ」の連体形で結ぶ係り結びである。宴の喜びの中に望郷の思いを差し込み、一連に陰影を添えて結ぶ。
かざす:花や枝を髪に挿して飾る
- 作者
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土師御道
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我がやどの梅の下枝に遊びつつ 鴬鳴くも散らまく惜しみ
- 次の歌
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妹が家に雪かも降ると見るまでに ここだもまがふ梅の花かも