- 歌の意味
- 家を遠く離れて旅の途中にあるので、秋風の寒い夕べに、雁が鳴きながら空を渡ってゆくのが身にしみる。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1161
詞書「羈旅にて作る」
家を遠く離れて旅をしている身に、秋風の寒い夕べ、雁が鳴きながら渡ってゆく声がしみじみと響くことを詠む一首である。旅愁と望郷の思いとが、秋の夕べの雁の声によって深められている。
詞書「羈旅にて作る」のもとの最初の歌で、以下、各地を旅して詠んだ歌が長く続く。作者は未詳である。
初句「家離り」は、家を遠く離れて、の意である。
二句「旅にしあれば」の「し」は強意で、旅の途中にあるので、の意。已然形に「ば」を付けた確定条件である。
三句「秋風の」は、秋風の、の意である。
四句「寒き夕に」は、寒い夕べに、の意である。
結句「雁鳴き渡る」は、雁が鳴きながら渡ってゆく、の意。雁は遠くからの便りを運ぶ鳥ともされ、望郷の思いを誘う。
いへざかる:家から遠く離れる
かり:雁
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 難波潟潮干に立ちて見わたせば 淡路の島に鶴渡る見ゆ
- 次の歌
- 円方の港の洲鳥波立てや 妻呼びたてて辺に近づくも