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磯の上に爪木折り焚き汝がためと
我が潜き来し沖つ白玉

歌の意味
磯の上で小枝を折って焚き、おまえのためにと思って、私が海に潜って採ってきた沖の真珠だよ。
鑑賞
巻第七 雑歌 1203

詞書は前の歌に続き「羈旅にて作る」
 磯で小枝を焚いて冷えた体を温めながら、愛しい人のためにと海に潜って採ってきた沖の真珠を差し出す一首である。苦労して得た真珠を贈る心に、深い愛情がこもっている。
 古集に出る歌とされる。海人の立場に身を置いて詠んだ歌とも、旅人が土産の真珠を贈る歌ともとれる。作者は未詳である。

 初句「磯の上に」は、磯の上で、の意である。
 二句「爪木折り焚き」の「爪木」は、薪にする小枝をいい、それを折って焚き、の意となる。
 三句「汝がためと」は、おまえのためにと思って、の意である。
 四句「我が潜き来し」は、私が潜って採ってきた、の意である。
 結句「沖つ白玉」は、沖の海底の真珠をいい、名詞で結ぶ体言止めである。

つまき:薪にする小枝
かづく:水に潜る
しらたま:真珠
出典
万葉集
前の歌
荒磯ゆもまして思へや玉の浦 離れ小島の夢にし見ゆる
次の歌
浜清み磯に我が居れば見む人は 海人とか見らむ釣りもせなくに