あらたまの年の緒長くかく恋ひば
まこと我が命全くあらめやも
- 歌の意味
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長い年月にわたってこのように恋い続けたならば、本当に私の命は無事でいられるだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2891
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
このまま長い年月恋い続けたならば命が無事ではいられまいと、恋の苦しさが命にかかわることを嘆く歌である。年月の長さを「年の緒」と糸にたとえ、果てしない時間を表している。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「あらたまの」は、「年」にかかる枕詞である。
二句「年の緒長く」の「年の緒」は、年月の長く続くことを緒にたとえた語で、長い年月にわたって、の意である。本巻の第二千九百三十五首第三千二百七首も同じ上二句で歌い出している。
三句「かく恋ひば」は、このように恋い続けたならば、の意である。
四句「まこと我が命」は、本当に私の命は、の意で、八音の字余りである。
結句「全くあらめやも」の「全く」は無事で欠けることなく、の意で、「めやも」は反語である。
あらたま:「年」「月」などにかかる枕詞
としのを:年月の長く続くことを緒にたとえた語
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ぬばたまの夜を長みかも我が背子が 夢に夢にし見えかへるらむ
- 次の歌
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思ひ遣るすべのたどきも我れはなし 逢はずてまねく月の経ぬれば