ぬばたまの夜を長みかも我が背子が
夢に夢にし見えかへるらむ
- 歌の意味
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夜が長いからだろうか。愛しいあの人が夢に繰り返し繰り返し見えるのは。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2890
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
愛しい男が夢に繰り返し現れるのを、夜が長いからだろうかと推し量る女の歌である。「夢に夢にし」の反復が、夢から夢へと続く夜の長さを感じさせる。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「ぬばたまの」は、「夜」にかかる枕詞である。
二句「夜を長みかも」は、夜が長いからだろうか、の意で、「み」は原因、「かも」は疑問を表し、結句の「らむ」と呼応する。
三句「我が背子が」は、女が恋しい男を呼ぶ語である。
四句「夢に夢にし」は、夢に夢にと繰り返し、何度も夢に見ることを表す。
結句「見えかへるらむ」は、繰り返し見えるのだろう、の意で、その原因を推量している。
みえかへる:繰り返し見える
ぬばたま:ヒオウギの黒い実、「夜」「黒」などにかかる枕詞
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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いで如何に我がここだ恋ふる我妹子が 逢はじと言へることもあらなくに
- 次の歌
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あらたまの年の緒長くかく恋ひば まこと我が命全くあらめやも