いで如何に我がここだ恋ふる我妹子が
逢はじと言へることもあらなくに
- 歌の意味
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さてまあ、どうして私はこれほどまでに恋しく思うのだろう。いとしい妻が逢うまいと言ったこともないのに。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2889
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
相手に拒まれたわけでもないのに、なぜこれほど恋しいのかと自らをいぶかる歌である。理由の見つからない恋の激しさを、自問の形で描いている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「いで如何に」の「いで」は、さてまあ、と自問する気持ちを表す感動詞である。
二句「我がここだ恋ふる」の「ここだ」は、こんなにもはなはだしく、の意で、八音の字余りである。ここで二句切れとなる。
三句「我妹子が」は、いとしい妻が、の意である。
四句「逢はじと言へる」は、逢うまいと言った、の意である。
結句「こともあらなくに」は、こともないのに、の意で、拒まれてもいないのに恋しさの募る自分をいぶかっている。
わぎもこ:男性が妻や恋人を親しんで呼ぶ語
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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世の中の人のことばと思ほすな まことぞ恋ひし逢はぬ日を多み
- 次の歌
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ぬばたまの夜を長みかも我が背子が 夢に夢にし見えかへるらむ