世の中の人のことばと思ほすな
まことぞ恋ひし逢はぬ日を多み
- 歌の意味
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世間の人のありきたりな言葉だとお思いにならないでほしい。本当に恋しかったのだ。逢わない日が多いので。
- 鑑賞
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巻第十二 正述心緒 2888
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
自分の恋しいという言葉を、世間の人がよく口にする決まり文句と思わないでほしいと訴える歌である。言葉の真実を相手に信じてもらいたいという、率直な願いが込められている。
作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。
初句「世の中の」は、世間一般の、の意である。
二句「人のことばと」は、人がよく口にする決まり文句と、の意である。
三句「思ほすな」は、お思いになるな、の意で、尊敬の「思ほす」に禁止の「な」が付いた形である。ここで三句切れとなる。
四句「まことぞ恋ひし」は、本当に恋しかったのだ、の意で、「ぞ」で真実であることを強調している。
結句「逢はぬ日を多み」は、逢わない日が多いので、の意で、「み」は原因を表すミ語法である。
おもほす:お思いになる、「思ふ」の尊敬語
- 作者
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作者未詳
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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立ちて居てたどきも知らず我が心 天つ空なり地は踏めども
- 次の歌
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いで如何に我がここだ恋ふる我妹子が 逢はじと言へることもあらなくに